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中国地方で初 食品残さリサイクルのエコフィードを養豚事業の飼料に採用
〜食品残さの黒麹発酵による液状飼料生産施設の稼働開始〜
2010年7月15日
福山市瀬戸町の自社牧場「瀬戸牧場」で豚を生産し、精肉販売、及び食肉・惣菜加工を行っている日本畜産株式会社(本社・広島県福山市、代表取締役社長・小林茂之)は「瀬戸牧場」にて、パン屑、麺類、野菜クズ等の食品残さを発酵させ、液状飼料とするプラントを設置、6月末よりテスト稼働を開始しました。
新しいプラントの稼働により、@廃棄されていた食品ロスを有効活用、A豚にとって栄養価・吸収率が高い飼料を製造、B糞尿の臭いを低減、C飼料コスト(生産コスト)の削減、などが期待されます。
このプラントで採用する「発酵リキッドフィーディング方式」は、原料食品を粉砕し、麹(こうじ)菌で分解発酵させることでスープ状の飼料を完成させます。これは中国地方では初となる技術で、福山市近郊の食品関連事業者から出るパンくず、麺類の端くず、野菜くず等、飼料としての栄養価が十分に高い廃棄食品を原料とし、焼酎造りに使用される麹菌を利用してエコフィード(食品循環資源利用飼料)を製造するものです。それを、従来の飼料(トウモロコシ、大豆粕等)から徐々に代替え(最大50%未満)し、豚の飼育をすることにより、CO2の削減、生ゴミの削減、豚の生産コストの削減を計画するものです。
6月末よりテスト稼働を開始しており、現在、微量ではありますが、飼料の一部として給餌しております。プラントの本格稼働は、8月初旬に開始する予定です。
日本の飼料自給率は25%にすぎず、昨今の輸入飼料(穀類)の価格高騰からも、食品リサイクルの推進、飼料コストの低減が求められています。このリキッドフィーディング方式の採用により、食品廃棄物の利用を促進しつつ、養豚業における飼料コストを大幅に削減することが期待できます。
今後、従来の飼料との比重バランスを変えていき、特徴ある豚肉生産を進めていく方針です。
全景1 | 全景2 | |||
スクリューコンベアー、ボイラー 投入ホッパーに投入された原材料を分離粉砕機に運ぶコンベアー。 殺菌処理を行う蒸気を生成するためのボイラー |
投入ホッパー内の食物残さ1 麺類の端くず等のデンプン質残さ |
投入ホッパー内の食物残さ2 野菜等の残さ |
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投入ホッパーからスクリューコンベアー | スクリューコンベアー スクリューで、投入ホッパーから分離粉砕機への運搬 |
分離粉砕機 原材料から、ビニール等の異物を分離し、細かく粉砕 |
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殺菌装置、発酵タンク 粉砕された原材料を、蒸気により殺菌し、発酵タンクへ。 発酵タンクに水分と種麹を投入し、30℃で24時間かけ発酵させ、ph4に調整 |
貯蔵タンク 発酵タンクで製造したリキッドフィード(液状飼料)を一旦貯蔵タンクへ |
給餌 リキッドフィードを、パイプラインで給餌口へ |
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給餌パイプライン |